末次町えびす商店街

 松江市役所に隣接している末次町えびす商店街
住宅との間に商店が入り混じり木造建築、タイル張りと時代色は様々。見え隠れする蔵にも目が行く。
オフィスも点在しているため駐車場が多く、京橋川沿いという立地としてはもったいなく感じる部分もある。


江戸時代から残る唯一の木造橋もあり、橋近くの石段を下りると浅瀬がある。水がきれいな時は住民が米や野菜を洗うなど生活の一部として川の水を使用していた。
物流が行き交う場として水運の利用も盛んで、町人町として栄えており、明治から続く畳屋、木材店が今でも伝統を受け継いでいる。

 

末次という地名は、松江のあちらこちらに残っているが、松江城が建てられる前は、末次城だったそう。末次という名前の由来も歴史があるのでぜひ検索してみて欲しい。

この辺りには、歴史ある建物が点在している。大正時代に建てられた浅野小児科病院は、登録有形文化財指定の木造二階建てのモダンな造り。

また、旧田野医院も有形文化財に指定されている。明治初期に多く建てられた擬洋風建築で、和風の瓦ぶき屋根と洋風の半径アーチ型の窓が特徴。庭付近には、船着き場跡があり当時庭から船に乗って往診に出かけていたということで、宍道湖がここまであったということがわかる貴重な場所でもある。

隣接している建物は随分取り壊されているが残っている建物は、明治の建築をそのままの姿で残している。

末次えびす商店街では、江戸時代から続く神事である松江市の伝統行事「(どう)行列」を継承しようと、毎年11月3日に「末次町えびすまつを開いている。

 

行列やお祭りの前になると、商店街の人たちや近所の人たちが集まり楽しそうに笛や太鼓を鳴らす。新しく加わる人も入りやすく、を通してまちのコミュニティが作られている所でもある。

 

缶詰工場を改装した多機能の複合施設や、元和菓子屋を改装したコーヒーとカレーの店もできた。ここ数年でケーキ屋、飲食店など若い世代がこの町で商売を始め、魅力ある店が増えてきた。リノベーションにより生まれ変わる可能性のある物件もいくつかあるため松江城、松江駅からは少し離れた場所にあるが、しんじ湖温泉駅から出雲大社までのアクセスもよいこともあり、アプローチの仕方によっては新しい観光拠点の可能性を感じる。