東本町エリア

大橋川を目の前に飲食店が連なる松江橋北エリアの繁華街。

天気のいい日には、大山も見え早朝には、宍道湖~大橋川でのしじみ漁を見ることができる。

 

大火により町ががらりと変わった。以前は川沿いに蔵が並び、船問屋や、水運を利用して商売をする問屋などで賑わっていた。一帯は船大工や鍛冶屋、材木屋と言った職人の住む町で屋根が低く、玄関も道路から下がっているような町屋が並び、大橋川にもつながっていた。

昭和6年に東本町の大部分が焼失。大火の後、区画整理され大橋川沿いに道が出来き、旅館や、飲食店が並ぶようになった。酒蔵、和菓子屋など歴史のある店も並ぶ。

 

明治29年創業の米田酒造。

松江のまち並みの中でも大規模な土蔵造の建物と言われている米田酒造は屋根が桟瓦(さんがわら)葺き、漆喰(しっくい)塗りの白い大壁が特徴的。歴史的景観要素として価値が高い建物として、松江市登録歴史的建造物に登録されている。

また、同じく登録された大橋川河畔の旧料亭「久の家(ひさのや)」の建物は大橋川沿いに残る。

富田屋旅館(現:大橋館)は、小泉八雲が松江で最初に住んだ場所で、前にある大橋から見る景色は八雲の名著の1つ「知られざる日本の面影」で語られている。

 

平成29年に、松江市登録歴史的建造物に指定された旧トラヤ紳士服店は近代建築の一つで、鉄骨と木造、石造りが合わさり松江でも他にみることがないレリーフが施されている。

加工しやすく強度のある来待石で掘られ、見る角度により建物のデザインや見え方が変わるモダンな建物。 

 

平成29年には、同界隈の活性化を目的とした組織「とうほん倶楽部」が設立された。

多くの飲食店で賑わっていた東本町も空き店舗が増え、危機を感じた店主たちが集まり、飲食店マップの作成や案内看板の設置、東本町を中心とした飲食店で、日本酒が楽しめるハシゴイベント(酒タンプラリー)と出雲弁検定も開催した。また30 ヵ所に花を植栽した、「街灯り」を設置。

 

月二回の定例会では、とうほん倶楽部のメンバーが集まり意見交換や、イベントの企画なども行っている。