松江石橋町商店街エリア

石橋町は松江城の北東に位置し、城下町の一角にあり、武士を支える町人町だった。荷持を載せた川舟が行き交ったそうで、川に大きな石橋が架かっていたことが町名の由来と言われている。

石橋一区景観形成区域として建物は高さ、デザインの規制などもあるため至る所から松江城が顔を覗かせる。

和瓦屋根と格子窓が軒を連ね、いくつか見られる小道が町の奥行きの深さを感じさせる。街全体が落ち着いた雰囲気であちらこちらに松江の歴史を感じることができる。

小さな通りが何本もあり一方通行の道も多いため、車で通る時には注意を。

 

石橋町で見かけるのが町屋建築。木造の建物も多く残り落ち着いた雰囲気の中、立ち寄りたくなるお店が並んでいる。

魚の焼くいい匂いがしてくるのは石川屋。

旬の魚に個包装のお惣菜。名物はアナゴの巻き寿司。近隣の客も多く江戸時代から愛されている店。

少し歩くと創業昭和46年の出雲蕎麦きがる。地元産の毎日挽きたて、打ちたての蕎麦を味わうことができ、昼時になるとすぐに満席になるほど。

 

石橋町界隈は水に恵まれ、井戸水が涸れたことがない。今でも古井戸が点在しており、良質な水質であることから酒の醸造をはじめ近隣の店でも大切に使われている。

千手院下の大井戸は島根の名水百選にも選ばれ、文久3年に掘られたもので水質が良く、飲料や消火用に利用されていた。

千手院のしだれ桜は樹齢250年余。松江市の天然記念物に指定されており春になると地元の人や、観光客で賑わう。

山の上にあるため松江城や、石橋町をはじめ松江の街を眺めることができる絶景スポットでもある。

 

千手院近くの綿貫住宅は、松江市登録歴史的建造物に指定されている。明治に建てられた主屋と蔵は、伝統的な町家に見られる技術が建物の至る所に見ることができる。

向かい側の鮮やかなベンガラ色のトタンの壁が連なっている建物は、明治8年創業のカネモリ醤油。

杉の木桶醤油は、二年以上の熟成を経て味わうことができる。ふらっと寄り、購入することもでき、醤油を作る工程を見学させてもらうこともできる。

 

有形文化財に指定された島根大学旧奥谷校舎。

石橋町商店街にある店舗が集まり、石橋ビアどーむや石橋春の市を企画するなどの活動を行っている。

コインパーキングがない地域なので、アクセスは各商店の駐車場を利用するほかないのは不便ではあるが、松江城から徒歩10分圏にあるので、自転車や散歩がてら店をハシゴするのもおすすめ。